太平洋島嶼地域
ポリネシア、ミクロネシアの島々では古くから犬を食用としており、現在も食用家畜として飼養しているところが少なくない。多くは祭りなどハレの日の料理として、バナナやタロイモなどの葉に包んで地中に埋め、熱く焼いた石で蒸し焼きにされる。ハワイの民族料理として知られるカルア・ピッグはこの調理法を豚に置き換えたものである。
北米のインディアン民族は、コモン・インディアン・ドッグを始め、独自の労働犬を使役し、食用ともしてきた。スー族の「ユイピの儀式」など、犬食(鍋で煮る)が重要な意味を持つ儀式も多く、現在もこれらは行われている。
スイスの山間部では、犬肉を食べる風習が存在している。スイス国内での犬肉の流通は禁止されているが、消費する事自体は黙認されている。犬を食べる場合は、犬を買い、それを肉屋で処理して調理してから食べる。レストラン等で、料理として出される場合もある。ドイツにもかつては犬肉屋が存在したが、1986年以降は流通が全面禁止になっている。それまでは食用から医薬用まで、様々な用途で利用されていた。
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フランスでは、パリで1910年頃に犬肉精肉店が開店したことや、横断幕で開店を示している例などが見受けられる。また数十種類に及ぶ犬肉料理本が販売されていたり、通信記事では牛肉のように美味しく色もピンクで歯触りもやわらかい、という記述などがあることからも、飢饉で仕方なく食べたのではないことを示し、犬料理が特別なものではなく禁忌としての対象でもないことが明らかである。
この他20世紀初頭にパリ市郊外で発達したガンゲット(ダンスホールを兼ねる安食堂)において、ウサギ肉と称して実際は蚤の市に出入りする屑屋が拾い集めてきた犬や猫の肉を出す、という都市伝説も広まった。